著名投資家ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは、2025年2月7日にオクシデンタル・ペトロリアム(NYSE: OXY)の株式を763,017株、総額約3,571万6,825ドルで追加購入した。

これにより、同社の保有株数は2億6,494万1,431株、持株比率は約28.3%となり、引き続き筆頭株主の地位を強固なものとしている。しかし、オクシデンタル・ペトロリアムの株価は2024年4月の年間最高値69.25ドルから約29.5%下落しており、今回の投資判断の背景に注目が集まっている。

同社は2月19日に2024年第4四半期および通年の決算発表を予定しており、その内容が今後の株価動向に影響を与える可能性がある。

バークシャー・ハサウェイの投資戦略とオクシデンタル・ペトロリアムの位置づけ

ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは、エネルギー関連銘柄への投資を一貫して拡大している。その中でも、オクシデンタル・ペトロリアム(NYSE: OXY)は特に注目すべき存在であり、過去数年間にわたり継続的に保有比率を高めてきた。今回の追加購入により、バークシャーの持株比率は28.3%に達し、筆頭株主としての影響力が一層強まった。

この動きは、バフェットの投資スタイルにおいて重要な「長期的視点」の現れといえる。彼は短期的な市場の変動に惑わされることなく、企業の本質的価値に基づいて投資判断を下すことで知られている。オクシデンタル・ペトロリアムは近年、脱炭素社会への移行という課題を抱えながらも、二酸化炭素回収・貯留(CCS)技術の開発や、持続可能なエネルギー分野への投資を進めている。こうした動向は、今後の成長余地を見越した戦略的な選択として評価される可能性がある。

一方、同社の株価は過去1年間で大きく変動しており、2024年4月の年間最高値69.25ドルから現在は約30%下落している。バフェットはこうした市場の動きを短期的な視点で捉えず、株価が低迷する局面での追加購入を通じて、長期的なリターンを狙っているとみられる。

オクシデンタル・ペトロリアムの業績動向と市場の反応

オクシデンタル・ペトロリアムは、米国を拠点とする大手石油・ガス企業であり、特にシェールオイル開発分野で強みを持つ。直近の業績に目を向けると、エネルギー市場全体の変動に伴い、同社の売上と利益も変動している。特に原油価格の推移が業績に与える影響は大きく、2024年第2四半期以降の価格下落が収益減少の一因となった。

また、オクシデンタルは近年、持続可能なエネルギー分野への転換を進めており、二酸化炭素の回収・貯留技術(CCS)に対する投資を積極的に拡大している。これにより、同社は従来の化石燃料企業という枠を超え、次世代エネルギー市場における競争力を高める戦略を取っている。この動きが長期的に企業価値を押し上げる要因となるかが注目される。

一方、市場の反応は短期的には必ずしもポジティブとはいえない。投資家の間では、エネルギー市場全体の先行き不透明感や、石油価格の下落がオクシデンタルの収益性に与える影響について懸念が広がっている。特に、2月19日に予定されている2024年第4四半期の決算発表は、同社の業績動向を左右する重要なポイントとなり、今後の株価の動きに影響を及ぼす可能性がある。

バフェットの投資判断が示す市場の方向性

ウォーレン・バフェットは、短期的な株価変動に左右されず、本質的な企業価値を見極める投資手法を貫いてきた。今回のオクシデンタル・ペトロリアムの追加購入も、そのスタイルに沿ったものと考えられる。特に、石油・ガス業界は世界的なエネルギー転換の中で大きな変革期を迎えており、バフェットがこの分野の企業に引き続き投資していることは、エネルギー市場の将来性に対する一定の信頼を示しているともいえる。

また、オクシデンタルの持続可能エネルギー分野への投資は、今後の市場評価を左右するポイントとなるだろう。現在、多くのエネルギー企業が再生可能エネルギーやカーボンニュートラル施策を加速させており、同社もこの流れの中で競争力を確保しようとしている。

バフェットの投資判断は、単なる石油・ガス企業への関心ではなく、同社が今後のエネルギー市場で果たす役割を見越したものとみられる。短期的な市場の変動が続く中で、オクシデンタル・ペトロリアムの長期的な成長戦略が成功するか否かが、バークシャー・ハサウェイの投資の成否を決める重要な要素となるだろう。

Source:Finbold