Meta Platforms(NASDAQ: META)の株価が好調な決算を受けて急騰し、時間外取引で716ドルを記録した。2024年第4四半期の1株当たり利益(EPS)は8.02ドル、売上高は484億ドルと、いずれも市場予想を大幅に上回る結果となった。年初来の株価リターンは18.6%に達し、史上最高値の更新も視野に入る。
一方、2025年第1四半期の売上高見通しは市場予想を下回る範囲で設定され、設備投資額も600億~650億ドルへと拡大する方針を発表。ザッカーバーグCEOは「投資不足が最大のリスク」とし、戦略的な支出増強を正当化した。ウォール街の一部では、これを成長加速の兆しと捉え、目標株価を825ドルまで引き上げる動きも見られる。
市場予想を超えた決算が示すMetaの成長力
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Meta Platformsが発表した2024年第4四半期の決算は、予想を大幅に上回る結果となった。1株当たり利益(EPS)は8.02ドル、売上高は484億ドルに達し、アナリスト予想のEPS6.75ドル、売上高469億ドルを大きく超えた。特に売上高の伸びは、FacebookやInstagramの広告収益の好調さを反映している。
決算発表後、Metaの株価は時間外取引で716ドルを記録し、年初来リターンは18.6%に達した。この株価上昇の背景には、AI技術への積極的な投資と広告事業の強化がある。Metaはリール(短尺動画)やAI駆動の広告配信技術を強化し、TikTokとの競争を優位に進めている。
ただし、2025年第1四半期の売上高見通しは395億ドルから418億ドルの範囲と、ウォール街の予想を下回った。この点は短期的な懸念材料となるものの、AI活用の拡大とメタバース戦略の推進によって、中長期的な成長が維持されるかが注目される。
設備投資の拡大が意味するもの AI競争の本格化
Metaは2025年の設備投資額を600億~650億ドルに引き上げる計画を発表した。これは2024年の投資額と比較して約50%増加しており、ウォール街の予想である510億ドルを大きく上回る。設備投資の増額は、AI関連のインフラ強化を目的としている。
CEOのマーク・ザッカーバーグは、「投資不足こそが最大のリスクだ」とし、AI開発のためのデータセンターや高性能チップの確保に注力する姿勢を明確にした。一方で、中国のAI企業DeepSeekが大規模なインフラ投資なしに高度なAIモデルを開発していることから、一部の市場関係者は「過剰投資」との見方を示している。
しかし、MetaはAI開発だけでなく、メタバース関連の技術基盤構築も視野に入れている。現在は広告収益が主力だが、将来的にはVR・AR領域での収益化を見据えており、長期的な視点での設備投資が不可欠だと考えられる。市場がこの戦略をどう評価するかが、今後の株価動向に影響を与えるだろう。
アナリストの目標株価引き上げと市場の期待
Metaの成長戦略に対し、ウォール街のアナリストは前向きな評価を示している。Canaccord Genuityのマリア・リップス氏は、Metaの目標株価を730ドルから825ドルに引き上げた。設備投資の拡大が長期的な成長に寄与すると見込み、投資家の安心感が高まっていると指摘している。
また、Metaの積極的なAI投資は、MicrosoftやGoogleなどの競合企業と比べても戦略的な優位性をもたらす可能性がある。特に、広告事業におけるAIの活用は、ターゲティング精度の向上を通じて収益性をさらに高める要因となる。
今後の焦点は、設備投資がどれほどのリターンを生み出せるかにある。AIとメタバースの領域での競争が激化する中、Metaが技術的・財務的な優位性を維持できるかが問われる。現在の市場の楽観的な評価が続くのか、それとも投資額の増加がリスク視されるのか、今後の展開が注目される。
Source:Finbold