Nvidiaの株価が5.7%下落し、年初来の下落率が17%を超えた。背景にはAI関連の投資減速への懸念と、米国市場全体の売り圧力がある。ナスダック100指数は2.8%下落し、ナスダック総合指数も2.6%の下げ幅を記録した。
半導体株全体が急落し、Broadcom、Micron、AMD、TSMCなど主要銘柄が軒並み下落。Marvell Technologyは業績見通しの悪化で約20%の急落となった。一方、Allegro MicroSystemsは買収提案の拒否を受けて5.7%上昇した。
ハイテク株も軟調で、Meta、Amazon、Apple、Alphabetが下落。MongoDBは業績見通しの下方修正により27%急落し、市場の不安をさらに加速させた。
Nvidia株が急落 AI関連支出の減速懸念が市場に影響

Nvidiaの株価は木曜日に5.7%下落し、年初来の下落率は17%を超えた。これは、市場全体の売り圧力に加え、AI関連支出の減速が懸念されていることが主な要因とされる。特に、同社はAI向け半導体市場で圧倒的なシェアを持つため、企業の設備投資の動向が株価に大きく影響する。
ナスダック100指数が2.8%下落し、ナスダック総合指数も2.6%の下落となったことからも、市場全体の不安が広がっていることがうかがえる。テクノロジー関連株全般が売られる中で、Nvidiaの下げ幅は特に大きかった。
この下落を受け、GraniteSharesのウィル・リンドCEOは「Nvidiaの業績自体は依然として強いが、マクロ経済の不確実性が株価に悪影響を与えている」と指摘している。同社は強力な第4四半期決算を発表しており、AI技術競争の最前線に立ち続けているものの、市場全体のセンチメントが悪化する中で一時的な調整局面に入った可能性がある。
半導体市場全体が急落 マーベル・テクノロジーの業績見通しが影響
Nvidiaの株価下落は半導体セクター全体に波及し、主要企業の株価も大きく値を下げた。Broadcomが6.3%、Micronが5.4%、AMDが2.8%、TSMCが4.6%下落するなど、業界全体が売り圧力にさらされた。
特に、Marvell Technologyは業績見通しが市場予想を下回ったことから、株価が約20%も急落した。同社の業績悪化は、半導体市場の需要鈍化を示唆するものであり、投資家の警戒感を高める要因となった。これにより、他の半導体関連株にも売りが広がった。
また、ON Semiconductorも5.6%下落したが、これはAllegro MicroSystemsによる買収提案を拒否されたことが影響した。一方、Allegroの株価は5.7%上昇し、市場全体の下落傾向とは対照的な動きを見せた。半導体市場の動向は、今後の企業業績やマクロ経済の影響を受けるため、不安定な展開が続く可能性がある。
テクノロジー株にも波及 MetaやAmazonも大幅安
半導体市場の急落は、テクノロジー大手企業の株価にも影響を及ぼした。Metaは4.4%、Amazonは3.7%、Appleは0.41%、Alphabet(Googleの親会社)は0.55%下落し、ハイテク関連銘柄の下げが目立った。これは、金利上昇への懸念や、世界的な経済成長の鈍化が影響していると考えられる。
また、データベースソフトウェア企業のMongoDBは、業績見通しの下方修正を発表したことで27%の急落となった。これは、企業のIT支出の抑制が進んでいる可能性を示唆しており、今後も同様の決算発表が続けば、さらなる下落リスクが高まる。
市場全体が不安定な状況にある中で、テクノロジー企業の成長ストーリーが揺らぎ始めている。AI関連株の過熱感が指摘される中で、Nvidiaをはじめとする主要企業の今後の業績が、ハイテク市場全体の方向性を左右することになりそうだ。
Source:Quartz