「オマハの賢人」ウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイは、長期的なバリュー投資戦略で市場を上回る成績を収めてきた。2024年には主要ポジションを削減しながらも、新規投資を行い、過去最高の3,340億ドルの現金準備を確保。その中でもアップル(AAPL)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、アメリカン・エキスプレス(AXP)は、ポートフォリオの56.15%を占める中核銘柄となっている。

2025年2月25日時点で、これら3銘柄は年初から軒並み下落。アップルは1.35%、バンク・オブ・アメリカは0.79%、アメリカン・エキスプレスは1.71%のマイナスとなった。仮に年初に各銘柄へ1,000ドルずつ投資していた場合、現在の評価額は987ドル(-1.28%)に減少。

だが、これらの下落は企業の業績悪化ではなく、市場全体の影響によるものと考えられる。バフェットが長年維持し続けるこれらの銘柄の行方に注目が集まる。

バフェットの主要3銘柄 2025年の市場動向とパフォーマンス

ウォーレン・バフェットが長期保有するアップル(AAPL)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、アメリカン・エキスプレス(AXP)は、2025年初頭に小幅な下落を見せた。これらの企業はバークシャー・ハサウェイのポートフォリオの半分以上を占めるが、年初のパフォーマンスは期待通りとは言えない。

アップルは247ドルで1.35%の下落。バンク・オブ・アメリカは43.94ドルで0.79%の減少。アメリカン・エキスプレスは293.34ドルで1.71%の下落となった。年初に各銘柄へ1,000ドルずつ投資していた場合、現在の評価額は合計987ドルであり、-1.28%のリターンとなる。企業の根本的な問題ではなく、市場全体の影響を受けた結果と考えられる。

アップルの株価下落 バフェットの戦略に影響はあるのか

アップル(NASDAQ: AAPL)はバークシャー・ハサウェイの最大保有銘柄であり、ポートフォリオの約40%を占めている。しかし、2024年からバフェットは徐々に保有株を減らしており、第4四半期時点では約3億株(評価額741億ドル)を維持する形となった。年初からの1.35%の株価下落は、テクノロジー株全体の調整と相関している。

アップルの強みは、高いブランド力とエコシステムの維持にある。iPhoneやサービス事業の収益が安定し、市場シェアも確保されている。しかし、バフェットが売却を進める背景には、評価額の高さや市場の変動リスクがあると考えられる。実際、ハイテク株は金利の影響を受けやすく、2024年の利上げが投資家の警戒感を強めた可能性がある。

バフェットがアップルの保有を完全に手放す可能性は低いが、長期的な成長性を考慮しながらリスク調整を進めているとみられる。バークシャー・ハサウェイの戦略は、一貫して「長期的な価値」に重点を置いており、短期的な価格変動には左右されない。今後もアップルの業績と株価動向に注目が集まる。

バンク・オブ・アメリカとアメリカン・エキスプレス バフェットはどう判断しているのか

バンク・オブ・アメリカ(BAC)とアメリカン・エキスプレス(AXP)は、バフェットの金融セクターでの主要保有銘柄だ。BACはポートフォリオの約11%を占めるが、2024年に14%の株式を売却し、2四半期で合計23.7%の削減を行った。これにより、保有比率は10%以下となり、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオ内での影響力が低下している。

一方で、アメリカン・エキスプレスは依然として重要な位置を占めている。バフェットは1960年代から同社と関わりを持ち、長期にわたる投資を続けてきた。現在の評価額は445億ドルを超え、ポートフォリオ全体の16.84%を占める。AXPの株価は年初から1.71%下落しているものの、バフェットは長期保有を維持している。

バンク・オブ・アメリカの売却が示すのは、金融業界の不透明感への警戒だ。金利環境や規制の変化により、銀行株のリスクが高まっている可能性がある。一方、アメリカン・エキスプレスは、ブランド力とビジネスモデルの安定性が評価されている。バフェットの判断は、短期の市場変動ではなく、企業の競争優位性と長期的な成長力に基づいていると考えられる。

Source:Finbold