ロブロックス・コーポレーション(NYSE: RBLX)は、2024年第4四半期の収益が前年同期比32%増の9億8,820万ドルとなり、アナリスト予想の9億6,720万ドルを上回った。
しかし、日次アクティブユーザー数(DAU)は8,530万人と市場予想の8,839万人を下回り、ユーザー成長の鈍化が明らかとなった。この結果、同社の株価は13%以上下落し、65.10ドルとなった。
CEOのデビッド・バズッキ氏は、仮想経済の発展やAIを活用したユーザー体験の向上に引き続き注力する方針を示している。
ロブロックスの株価急落の背景と市場の反応
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ロブロックスの株価は、2024年第4四半期の好調な決算発表にもかかわらず13%以上下落した。この要因の一つは、同社が発表した2025年の予約売上予測が市場の期待を下回ったことにある。ロブロックスは2025年度の予約売上を52億~53億ドルと見込んでおり、これは市場が期待していた水準に届かなかった。
また、日次アクティブユーザー(DAU)の成長が鈍化している点も市場の懸念材料となった。四半期ごとの比較では、ユーザー1人当たりの予約売上の伸びも鈍化しており、収益の成長性に対する不安が広がっている。さらに、2025年後半の成長鈍化を示唆する同社の見解が、投資家心理を冷やす要因となった。
市場全体の動向として、エレクトロニック・アーツ(EA)など他のゲーム企業も成長鈍化の兆しを見せており、ゲーム業界全体に慎重な見方が広がっている。こうした背景の中で、ロブロックスの決算が与えた影響は、同社だけでなく市場全体のセンチメントにも波及している。
メタバース市場の変化とロブロックスの課題
ロブロックスはメタバース市場の代表的な企業として、仮想空間内でのゲームや体験型コンテンツの提供を強みとしている。しかし、競争環境の変化やユーザー層の拡大の難しさが、同社の成長に影響を与えている。
一つの課題は、メタバース市場全体の成長速度が鈍化していることだ。新規ユーザーの獲得が難しくなり、既存ユーザーのエンゲージメントを維持するための戦略がより重要になっている。特に、若年層中心のユーザー基盤を持つロブロックスは、年齢層の拡大や新たなユーザー層の取り込みが求められている。
また、技術革新やAIの活用によってコンテンツの多様性を広げることが成長の鍵となる。CEOのデビッド・バズッキ氏も、仮想経済の発展とAI技術の活用を強調しており、今後の成長戦略としてこれらの要素が重視されるだろう。ロブロックスの持続的な成長には、コンテンツの質の向上とともに、収益モデルの多様化も必要不可欠となる。
Source:Wall Street Pit