今週、米国株式市場はワシントン誕生日(プレジデンツ・デー)により月曜日が休場となるが、火曜日以降、バイドゥ(BIDU)、アリババ(BABA)、ウォルマート(WMT)などの主要企業が決算を発表する予定である。
特に、前四半期において業績が市場予想を上回ったにもかかわらず、ガイダンスが期待を下回った企業が厳しく売られる傾向が見られたため、各社の業績見通しに注目が集まる。先週はApplovin(NASDAQ: APP)が30%上昇する一方、Reddit(NYSE: RDDT)が14.23%下落するなど、株価が大きく変動した例もあり、今週も市場の動向から目が離せない。
AIとクラウド事業の成長がカギを握るバイドゥの決算

バイドゥ(BIDU)は今週の決算発表で、市場予想のEPS13.44元、売上高334.3億元を達成できるかが焦点となる。前回の決算では予想を下回ったが、同社はAI技術とクラウドサービスの拡大を進めており、その成果がどの程度業績に反映されるかが注目されている。
特にバイドゥの生成AI「Ernie Bot」は、中国国内での競争が激化する中、同社の収益源として期待されている。テンセントやアリババといった競合が同様のAI開発を進めるなか、バイドゥのAIが広告・クラウド事業とどのようにシナジーを生み出すかが重要なポイントとなる。
また、クラウド市場の成長鈍化も懸念されている。中国政府の規制強化により、データセンターやAIの利用に関するルールが変わりつつあり、これがバイドゥのクラウド戦略に影響を与える可能性がある。そのため、決算発表後の経営陣のコメントやガイダンスには慎重な目線が必要だ。
バイドゥの広告依存度は依然として高く、新たな収益モデルの確立が求められる。AIとクラウド事業の成長がこの課題をどの程度補完できるか、今後の決算を通じて明らかになるだろう。
中古車市場の回復がカギを握るカルバナの業績動向
カルバナ(CVNA)は、今週の決算発表で予想EPS0.32ドル、売上高33.4億ドルの達成が期待されている。前回決算では予想を大きく上回る結果を出したが、中古車市場の変動が引き続きリスク要因となる。
米国の中古車市場は、金利の上昇や消費者の購買力の変化により、大きな影響を受けている。カルバナはオンライン販売を強みに成長を遂げてきたが、金利上昇が自動車ローンの負担を増大させ、需要減退につながる可能性がある。また、在庫管理の効率化やコスト削減が利益率にどのように影響するかも注目点だ。
直近の動向として、カルバナは負債削減のために積極的な資金調達を進めている。業界全体が厳しい状況にある中、同社がどのように経営戦略を調整するのかが焦点となる。また、オンラインプラットフォームの改良や顧客獲得コストの削減も、今後の業績に大きく影響を与える要因だ。
中古車市場の回復が遅れる場合、カルバナの成長スピードにも影響が出る可能性がある。今回の決算では、業績の数値だけでなく、経営陣の見通しや市場環境に対する戦略も重要な判断材料となるだろう。
ウォルマートのeコマース拡大戦略が業績の鍵
ウォルマート(WMT)は、今週の決算で予想EPS0.65ドル、売上高178.83億ドルが見込まれている。前回の決算では売上が市場予想を上回ったが、利益率改善やコスト管理が引き続き課題となっている。
特に、ウォルマートのeコマース戦略は成長の原動力となっている。同社はAmazonに対抗するため、オンライン販売を積極的に強化しており、デジタル広告事業やウォルマートプラス(Walmart+)の拡充にも力を入れている。サブスクリプションサービスの成長が、どの程度売上を押し上げるのかが注目される。
また、インフレや消費動向の変化が業績に与える影響も見逃せない。生活必需品を扱うウォルマートは景気の影響を比較的受けにくいが、価格競争が激化する中、コスト管理や物流戦略が利益率にどのように反映されるかが鍵を握る。
さらに、ウォルマートは新たな成長領域としてヘルスケア事業にも注力している。オンライン医療サービスや店舗内クリニックの拡大が、今後の売上成長にどの程度寄与するのかも焦点となる。今回の決算発表では、これらの新戦略の進捗がどのように語られるのかが、市場の注目ポイントとなるだろう。
Source:AskTraders.com