ビットコイン(BTC)への積極的な投資で知られるStrategy(旧MicroStrategy、NASDAQ: MSTR)は、2024年に株価が63ドルから一時421ドル近くまで上昇し、最終取引日には289ドルで取引を終えた。

しかし、最近のパフォーマンスは不透明感を増している。オンチェーン分析の専門家であるアリ・マルティネス氏は、MSTR株が対称三角形のチャートパターンを形成しており、価格のもみ合いが終わりに近づいていると指摘。同氏は、今後MSTR株が最大52%の変動を起こす可能性があると述べている。

一方、ウォール街のアナリストは、MSTR株が今後12カ月間でさらに上昇すると予測しており、平均的な52週間の株価目標を548.91ドルと設定している。これは現在の価格より62.88%の上昇余地を示している。

ただし、ビットコイン市場自体の不確実性や、MSTR株とビットコイン価格の連動性の低下など、注意すべき点も存在する。投資家は、これらの要因を総合的に考慮し、慎重な判断が求められる。

Strategyの株価を左右する要因 ビットコイン市場との関連性

Strategy(旧MicroStrategy)は、ビットコイン(BTC)を大量に保有する企業として知られている。これまでの株価推移を見ると、ビットコインの価格動向と強く相関している傾向があった。しかし、2024年に入ってからは必ずしもその通りではなくなっている。

MSTR株は1月2日時点で63ドルだったが、ビットコインの価格上昇とともに急騰し、一時421ドルまで到達した。しかし、現在は約289ドルに落ち着いている。一方で、ビットコイン価格も市場での変動が激しく、安定したトレンドを形成していない。かつてはMSTR株がビットコインの代替投資先と見なされていたが、最近の相関関係の低下は投資家にとって新たな不確実性をもたらしている。

また、Strategyはビットコインの保有を企業戦略の中核に据えており、市場環境の変化による影響を大きく受ける。特に、規制の動向や米国の金融政策は、ビットコイン市場だけでなくMSTR株の動きにも影響を及ぼす要因となる。今後、ビットコインETFの市場動向や、機関投資家の参入度合いが、MSTR株価にどのように影響を与えるかが注目される。

テクニカル分析が示す今後のシナリオ

オンチェーン分析の専門家であるアリ・マルティネス氏は、MSTR株のテクニカルチャートに注目している。同氏の分析によれば、MSTR株は対称三角形(シンメトリカル・トライアングル)のパターンを形成しており、これは価格が大きく変動する前兆として知られている。この形状が示すのは、長期間のもみ合いを経た後、上方向または下方向の大きなブレイクアウトが起こる可能性があるという点だ。

マルティネス氏は、MSTR株が最大52%の変動を見せる可能性を指摘している。しかし、その方向性については明確ではない。市場の状況や投資家のセンチメントによって、上昇トレンドに転じるか、それとも調整局面に入るのかが決まる。特に、ビットコイン市場の動向や米国経済の影響を考慮する必要がある。

このようなチャートパターンは、過去にもMSTR株に見られたものであり、特にビットコイン価格が大きく変動する局面ではMSTR株にも同様の影響が及んでいた。現在、ウォール街のアナリストの間では強気の見方が優勢ではあるが、過去のデータだけでは判断が難しく、慎重な分析が求められる。

ウォール街の評価と今後の投資判断

MSTR株に対するウォール街の評価は依然として強気の姿勢を維持している。投資分析プラットフォーム「TipRanks」によると、過去3カ月間に発表された11件のアナリスト評価はすべて「強い買い(Strong Buy)」となっている。特に、MizuhoとKeefe, Bruyette & Woodsが2025年に入ってから発表した評価も前向きな見通しを示している。

現在、MSTR株の52週間の平均目標株価は548.91ドルとされており、これは現在の水準から62.88%の上昇余地があることを示唆している。ただし、目標株価は市場の状況次第で変化するため、投資判断の際には他の要素も考慮する必要がある。

特に、MSTR株はビットコインのボラティリティに影響を受けやすく、短期的な値動きが激しい銘柄の一つである。そのため、短期的な調整が発生する可能性も否定できない。しかし、ウォール街の見解では、仮に一時的な下落があった場合でも「押し目買いのチャンス」と捉えられることが多い。今後の市場の展開を見極めながら、戦略的な判断が求められる。

Source:Finbold